7月1日から始まった、「ヴォワヤージュ・ア・ナント」(ナントの旅)。これは、イベント名でもあり、開催する組織名でもあります。先日、市の中心部から大聖堂脇にある小公園を抜けて自宅に帰ろうとしたところ、通り抜け禁止になっていて、設置中とおもわれる造形作品の一部が見えました。「風景に同化して目に留まることのない立像を解放して、市内に動きを創り出す」というコンセプトで、既存の造形作品を樹脂で複製したり、絵画作品を火山岩で造形作品にして、普段は人があまり訪れない(或いは入場できない)空間に設置して、ナントの町を新たに発見できるようになっています。
そして、完成した作品。水と陸から出現した女性が手にしているのは、回遊するウナギ。旅の象徴でしょうか。
近所の住人だけが抜け道に使うような、あまり知られていない空間も、ガイド冊子に掲載されたコースにそってやってきた人々にとっての発見の場となります。ここから左に曲がると大聖堂の方に出られますが、15世紀半ばにブルターニュ公国の執務室&住居として使われていたらしい建物があり、現在ではナント市の文化局が入っています。すべての部署が一か所に集まるのではなく、基本的に住民の対応をしない部署は市内のあちらこちらに分散しています。