ナントの大聖堂修復

2020年7月に、放火で損傷してしまった大聖堂の修復作業も、やっと建物内に人々を収容してもよい水準までに至りました。ヴォワヤージュ・ア・ナントのガイドチームは、今月末の再公開前に工事が相変わらず続く大聖堂内の見学をしてきました。

正面にはまだ足場が組まれており撮影できないので、南側から撮影。雲一つない晴天。

このパイプオルガンは損傷こそ免れましたが、煤で汚れたため解体して清掃。

通常は開けられることのない扉が開いていました。付属棟に続くようです。

配電工事に携わってくださる方々。

螺旋階段を延々と上って、37m付近のギャラリーまで案内してもらいましたが、高所恐怖症の私はここで断念しました。足場は、正面入り口を修復するためのものです。

昔の時計に使っていた仕掛け。

これ以上は怖くてのぞき込めませんでした。

まだ修復されていないステンドグラス。

この正面の小道は何度も通っているのに、頭上に渡り廊下があることを知りませんでした。工事の人々が色々なところに出入りしていて、「こんなところに、こんな空間が!」と、様々な発見がありました。修復中にローマ時代の遺跡やら、中世のものと思われる棺が出てきたりして、考古学者チームが時代検証をしているそうです。

放火による火災でしたが、案内してくれた人は「犯罪行為」と言わずに「悪意ある行為」と言っていました。犯人の微妙な立場に対する若干の配慮?でしょうか。修復費用は国が全面的に負担するそうです。修復中に見つかった様々な瑕疵も、同時に扱っています。火災になってはじめて、木製の礼拝用椅子がシバンムシに食われていたり、鉛に汚染されていた箇所がみつかったりで、工事に取り掛かる前にかなり大掛かりな清掃が行われたそうです。丸天井の煤は、足場に登った石工さんたちが掃除機で吸い取ったとか。足場を組むだけで1100万ユーロかかったそうです。

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